2012年7月13日金曜日

『ダ・ヴィンチ』2012年8月号にて紹介されました

『ダ・ヴィンチ』という雑誌はご存知だろうか。
表紙に、「本とコミックの情報マガジン」というキャッチフレーズがある。おそらく、若者をターゲットにしているのではなかろうか。表紙も、若手の作家、漫画家が多く、今月号は荒木飛呂彦さん(失礼ながら、私は知りませんでしたが『ウルトラジャンプ』の連載などで人気漫画家のようです)。

ちなみに私自身は、確か90年代に創刊したころ、一時喜読んでいたが、その後はご無沙汰状態である。
さて、その『ダ・ヴィンチ』に、吉田書店が紹介された。
北尾トロさんの連載「走れ! トロイカ学習帳」(これは、洒落なんでしょうね)で取り上げていただいたのだ。今回は、連載第52回で「始めること、続けること 僕の小規模な出版生活」。そう、小出版社、ということでノミネートいただいたわけだ。

5月下旬頃に編集部から電話があり、取材をしたい、と。これまで「取材」なんてものを受けたことがなく、戸惑いはあったが、吉田書店のPRになれば、なんてことで引き受けたのであった。もちろん『ダ・ヴィンチ』が若者向けであることは知っていたから、吉田書店のラインナップとのズレは承知の上である。

数週間後、この小さな事務所に「取材陣」がお見えになった。たった5坪程度の部屋に、4人も来客があったのは最初で最後かもしれない。
北尾トロさんとあれこれ雑談した結果が、紙面に反映されたわけだが、1時間ちょっとの取り留めのない会話だった。
正直、「成り行き」で吉田書店を立ち上げたわけで、果たして取材対象になるのかしら、と思いながらの受け答えだったので、何とも迷惑をかけたと思う。文中に「話の端々から、出版社であり続けることを当面の目標としていることがわかる」とあるが、まさにその通り! 潰さないように頑張るのみ、これが今の率直な気持ち。。それが、「端々から」伝わったのか。とにかく、このようにうまく紙面にまとめて戴いたことに感謝!

自分から、「良書の出版を……」なんて言うつもりはない。それは、読者が、世間が決めることだと思う。私は、とにかく生きていかなくてはいけない。本を出して売って生きていくのだ。もちろん、自由に、楽しみながら……。これが如何に困難であるか、それは、重々承知している。だからこそ、面白いのだ。

今回の取材は、こうしたことを自分で改めて認識するきっかけになりました。
北尾トロさん、編集部のKさん、カメラマンの原田さん、そして同席下さって連載の後半で登場する北海道の小出版「北海道冒険芸術出版」の堀直人さんに、改めて感謝申し上げます。

『ダ・ヴィンチ』は、(吉田書店の本とは違って)全国ほとんどの書店にあるでしょう。コンビニにもあるかもしれません。ぜひ手に取ってご覧下さい。私が出ているところ以外も、見どころ一杯でした!

2012年7月4日水曜日

御高評戴きました(『石坂洋次郎「若い人」をよむ 妖しの娘・江波恵子』)

今月の新刊、『石坂洋次郎「若い人」をよむ 妖しの娘・江波恵子』を、さっそくブログで紹介くださいました。御高評有難うございます!

『林蘊蓄斎の文画な日々』←画家であり作家であり、装丁家である林哲夫さんのブログです。

http://sumus.exblog.jp/18533937/


また、本書の装丁をいただいた折原カズヒロさんの以下のブログもどうぞ。
装丁を巡るあれこれを堪能ください!
http://ok-bd.blogspot.jp/2012/07/blog-post_01.html

2012年6月28日木曜日

新刊! 『石坂洋次郎「若い人」をよむ 妖しの娘・江波恵子』


吉田書店7冊目の本が出ます。
ちょっと長めのタイトルですが……
『石坂洋次郎「若い人」をよむ 妖しの娘・江波恵子』(柏倉康夫著、1800円+税)。http://www.yoshidapublishing.com/booksdetail/pg539.html

『若い人』という作品自体、柏倉先生にお聞きするまで、恥ずかしながら私は知りませんでした。(『青い山脈』なら知っていたわけですが。)
『若い人』は、昭和8年から5か年にわたって『三田文学』に連載され、空前のベストセラーとなった長篇小説です。舞台は、旧制の女学校。26歳の国語教師・間崎慎太郎と女学生・江波恵子、そして橋本スミ子という若い女性教師をめぐる物語。「三角関係」なんて言ってしまえばそれまでですが……。

『三田文学』での連載が終わり、昭和12年に改造社から単行本化され売れに売れたため(改造社の社運を再興したと言われるらしい!)、すぐに映画化もされたとのこと。そして、(私が調べた限りでは)戦後も3回(1952年、1962年、1977年)映画化されています。石原裕次郎と吉永小百合が演じた1962年版はDVDにもなっているようです。
 
本書は、そんな作品をもう一度読んでみよう、というわけです。ヒロインの江波の心の動きや言動、行動に注視しながら……。実に魅力的な女性なのです! 著者の柏倉先生自身は、本書「はじめに」で述べているように、高校時代に『若い人』を読み江波恵子の魅力にとり憑かれたとのことです。

 図書館などにある、中公の「日本の文学 58」では2段組みで500頁近いわけですが、本書は、そのダイジェスト版といった位置づけも可能かもしれません。そうした読み方をしていただいても嬉しいですね。

戦前にはこの作品のある部分が不敬罪にあたるなどとして告訴されたり、また、石坂自身が細部について後年まで何度も書き直していることがわかったり(各社から多くの版がでています)、という面なども、興味深いところです。

ぜひ、多くの人に手に取っていただきたいです。特に、これまで吉田書店と縁のなかった人たちに(笑)。

装丁も素敵に仕上がりました!
デザイナーの折原カズヒロさんには幾つもラフ案も出していただきまして。また、著者の柏倉先生の御紹介で、口絵は、若い版画家の加藤茜さんという方にお寄せいただきました。ヒロインの江波を想像して銅版画を制作いただきました!
ぜひ、本文と併せてご覧いただきたいものです。

2012年3月27日火曜日

創業1年になります

久しぶりのブログ投稿となる。1月からフェイスブックとツイッターを始めたため、そちらを優先していた、との言い訳。
さて、早いもので3月も残りわずかとなってまいりました。約300名の方々にお送りしている「吉田書店通信」の第4号から、以下に転載させていただくこととで、久々の「投稿」といたします。
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▼吉田書店を立ち上げてからもうすぐ1年――。昨年の今頃は、事務所を探したり、法人化の手続を勉強したりする一方、本当にやっていけるのか、1冊目は何を出せばいいのか、などとひとり悶々としていたような記憶があります。今、こうして1年間を振り返ることができますのも、著者の先生方、読者の方々、印刷、組版を戴いている取引業者の方々のお蔭です。
▼2年目の今年は、(「○○新書」「△▽叢書」などという仰々しいものは無理としても)何か、吉田書店のシンボルとなるようなものの萌芽を、と夢想しております。引き続きのご指導、ご支援をお願い申し上げます。
▼「あさま山荘事件」「川端康成自殺」「沖縄返還」「田中内閣誕生」「日中国交正常化」……。これらの出来事が連なる1972年に生まれた私は秋に40歳を迎えます。いつまでも、「未熟者で」などと甘えてもいられないと気を引き締めつつも、まだ「守り」に入るには早すぎると考え、あらゆることにチャレンジしたく思います。
▼1月からは、ツイッターとフェイスブックを始めてみました。情報発信と自己表現の訓練を兼ねての「チャレンジ」(というほどのことでもないのでしょうが)。これが、なかなか難しい。「気軽に」「自由に」と言われながらも、それが一番の困難であるわけです。ちょっと大げさかもしれませんが、「自由」の大変さを身をもって体験しています。マニュアル通りに、上司の命令通りに、といった定型的な仕事といかに対照的であるかを実感しております。吉田書店の本のこと、私自身の日常のことなど、発信していきたいと思います(最近はツイッター中心になっておりますが)。ネット上において遭遇した際は、どうぞ覗いてみていただければと思います。そして、失礼の段があればお許しいただくともに、ご指摘賜れば有難く存じます。
▼さて、事務所のある飯田橋・九段界隈は、千鳥ヶ淵公園、靖国神社といった桜の名所が点在します。仕事の合間に出かけてみたいと今から楽しみです。これからの季節、近くにおいでの際は、どうぞお立ち寄りくださいませ。皆さま方に、いい春の訪れがありますようお祈り申し上げます。(吉田真也 12.3.17記)

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2012年1月16日月曜日

北別府と津田が野球殿堂入り!

今では、小学1年生の娘にさえ「運動音痴」と馬鹿にされる私も、小学生のころは、人並みに野山を駆け回っていた。バットとグラブをもって、日が暮れるまで野球三昧だった。
あのころ、サッカーなんてやっている子どもは少数で、誰もが野球だったのではなかろうか。
そんな私は、広島カープ一筋。
一番 高橋慶彦、二番 山崎隆造、三番 ライトル、四番 山本浩二、五番 衣笠祥雄……といった具合に。
投手は、北別府学、津田恒実!

巨人戦しかテレビ放映がない時代、巨人VS広島の日は、家に一台しかないテレビを占有したものだ。
北別府と津田が野球殿堂入りというニュースは、久々に私の目を、新聞のスポーツ面に走らせた。

病魔に侵されて早逝した津田。山口県南陽工業高校出身の彼に対し、山形県南陽市の小学生は、ついつい親近感を持っていたのかもしれない。

ついつい、「カープ」「カープ」と応援し、赤い帽子を被って通学していた「紅顔の美少年」時代を思い返した。
(ちなみに、一番好きだったのは、山本浩二)

※すみません。つまらぬことを書き連ねました。
ツイッター、フェイスブックを始めたのですが、そちらに書くのはどうも憚れまして。。。。(ブログなら、見たくなければ見なくて済むわけですが、ツイッターですとそうもいかず失礼かと思い。。。)

2012年1月1日日曜日

新年明けましておめでとうございます

2012年がスタートしました。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。皆様にとって、佳き一年になるようお祈り申し上げます。
一日一日を大切に過ごしていきたいと考えております。
これまで以上の、ご支援、ご指導をお願い申し上げます。
元日の新聞各紙には、大手出版社が広告を出し、今年の大型企画、などが紹介されておりました。
吉田書店は、そこまでする力はございませんが、小さくてもきらりと光る出版社を目指し、精進してまいります。