2013年1月28日月曜日

※以下は、1月27日にFacebookに投稿した内容とほぼ同じです。
 
 
先週末の1月25日(金)は、「歴史編集者懇談会」という会合の第172回目の例会がありました。
私は昨年の3月から仲間に入れていただいたばかりで、うまく説明はできないのですが、歴史書を編集している編集者の自主勉強会といったものです。
あくまで、個人での参加というのがポイントかもしれません。隔月で例会を開催しております。
1月は、「歴史図書賞」の選考・発表ということになっておりました。
この「歴史図書賞」の説明は、この会の幹事役をやっている永滝稔さん(有志舎)が、先日、以下のフェイスブック上で説明なさっているので、そちらに譲ります。
... http://www.facebook.com/minoru.nagataki
(リンクを張ったことになるか、不安ではありますが・・・・)

で、このたび、『自由民権運動史への招待』(安在邦夫著)http://www.yoshidapublishing.com/booksdetail/jiyuminken.html が、本賞を受賞しました!

上記の永滝さんの説明にあるように、「内輪の会の賞ではありますが、口うるさい同業の編集者に仕事を認めてもらえるというのは嬉しいもの」!

賞状と副賞(電子メモ帳)をいただきました(受賞作と並べた写真をアップしました)。
賞状の宛名が「吉田真也」であることは、上記のように、「個人での参加」であることを示しています。私の場合「吉田書店」=「吉田真也」なのでしょうが、他の方々は、社の代表としてではなく、あくまで編集者個人として参加しているわけです。

ちなみに、この「歴史編集者懇談会」は2013年で30周年とのこと。
金曜日の会では、その記念誌も配布されました(写真に映っている黄色い冊子)。それによると、この勉強会は、1983年に、有斐閣、岩波書店、青木書店、法政大学出版局、三省堂、校倉書房、東京大学出版会、日本評論社に属す8人でスタートした会のようです。その後、会員は入れ替わりながらも、現在まで続いているのは本当にすごいことだと、会員歴1年弱の私は、率直に感じました。会員の皆さま、どうぞ今後とも宜しくお願い致します!

ちなみに、「歴史図書賞」の過去の受賞作をここに転記(先日、これまでの受賞一覧を幹事の方から頂戴したので)してみます(懇談会は1983年スタートですが、この賞は1994年から)

「歴史書」という括りでも、多種多様な作品です。これらを編集した人間が集まっているのが、「歴編懇」であるとも読み取れますね
 
 
★第1回(1994年)
本賞:土井正興著『スパルタクスとイタリア奴隷戦争』法政大学出版局
奨励賞:石井寛治著『情報・通信の社会史』有斐閣
★第2回(1995年)
本賞:『歴史激流 楊寛自伝』東京大学出版会
奨励賞:阿部猛他編『日本古代史研究事典』・佐藤和彦他編『日本中世史研 究事典』東京堂出版
特別賞:新保博著『近代日本経済史』創文社
★第3回(1996年)
本賞:メアリー・ベス・ノートン他著『アメリカの歴史』全6巻,三省堂
奨励賞:ジョージ・ケナン著『シベリアの流刑制度』Ⅰ・Ⅱ,法政大学出版局
★第4回(1997年)
本賞:マリア・ミース著『国際分業と女性』日本経済評論社
奨励賞:いいだもも著『20世紀の〈社会主義〉とは何であったか』論創社
★第5回(1998年)
本賞:永原慶二著『荘園』吉川弘文館
奨励賞:日本の戦争責任資料センター編『シンポジウム・ナショナリズムと「慰安婦」問題』青木書店
★第6回(1999年)
本賞:西嶋定生著『倭国の誕生』東京大学出版会
奨励賞:日本歴史学会編『日本史研究者辞典』吉川弘文館
★第7回(2000年)
本賞:ただえみこ著『唄で命をつむいで』青木書店
奨励賞:黒田和子著『浅野長政とその時代』校倉書房
東島誠著『公共圏の歴史的創造』東京大学出版会
★第8回(2001年)
本賞:杉仁著『近世の地域と在村文化』吉川弘文館
奨励賞:須磨千穎著『賀茂別雷神社境内諸郷の復元的研究』法政大学出版局
★第9回(2002年)
本賞:佐原真著『銅鐸の考古学』東京大学出版会
奨励賞:歴史学研究会編『歴史学における方法的転回』(現代歴史学の成果と課題1)青木書店
   『幸徳秋水』『堺利彦』(平民社百年コレクション1,2)論創社
★第10回(2003年)
本賞:永原慶二著『20世紀日本の歴史学』吉川弘文館
奨励賞:小林正美著『唐代の道教と天師道』知泉書館
    暉峻衆三編『日本の農業150年』有斐閣
★第11回(2004年)
本賞:永原慶二著『苧麻・絹・木綿の社会史』吉川弘文館
奨励賞:鹿野政直『現代日本女性史』有斐閣
★第12回(2005年)
本賞:金原左門著『近代日本のサブリーダー』日本経済評論社
奨励賞:村串仁三郎著『国立公園成立史の研究』法政大学出版局
    佐々木潤之介著『江戸時代論』吉川弘文館
★第13回(2006年)
本賞:大谷 正著『兵士と軍夫の日清戦争』有志舎
奨励賞:深谷克己著『江戸時代の身分願望』吉川弘文館
★第14回(2007年)
本賞:石井寛治著『経済発展と両替商金融』有斐閣
奨励賞:小澤卓也著『先住民と国民国家』有志舎
★第15回(2008年)
本賞:佐原徹哉著『ボスニア内戦』有志舎
奨励賞:木畑洋一・車河淳編『日韓歴史家の誕生』東京大学出版会
吉田 徹著『ミッテラン社会党の転換』法政大学出版局
特別賞:栗原哲也著『私どもはかくありき』日本経済評論社
★第16回(2009年)
本賞:永原陽子編『「植民地責任」論』青木書店
奨励賞:西洋中世学会編『西洋中世研究』知泉書館
阪田安雄編著『国際ビジネスマンの誕生』東京堂出版
★第17回(2010年)
本賞:大門正克ほか編『高度成長の時代』全3巻 大月書店
奨励賞:遅塚忠躬『史学概論』東京大学出版会
★第18回(2011年) 同票数のため本賞2点
本賞:穴倉佐敏編『必携古典籍・古文書料紙事典』八木書店
本賞:鈴木多聞著『「終戦」」の政治史 1943~1945』東京大学出版会