2010年8月25日水曜日

貧しさで命を落とす人がいる社会とは何か。

猛暑が続く今年の夏、暑さで命を落とす人のニュースが目に付く。熱中症にかかる、ということだが、その陰に「貧しさ」に原因があるという場合、何ともやるせない気持ちになる。20日付の朝日新聞1面では、長男と二人暮らしだった76歳の男性の死亡に関して報じていた。記事によると、二人の収入は父親の年金(2カ月で十数万円)のみで、月5万5000円の家賃を払うと残るのはわずかな食費のみ、電気、ガス、電話は10年ほど前から解約していたとのことだ。長男は15年前に腰が悪くなり運送会社を辞めていたという。
数日前から、体調の悪化を訴えていた男性のため、この長男は氷と薬を買ってきたという。わずかなお金を工面したはずである。その氷の冷たさに男性の顔は和らいだという。しかしその数時間後に息を引き取る……。
こうして、記事を読んで改めて築くのは、家賃の高さだ。もし、この5万5000円が他に使えたら、と考えてしまう。都市部の住宅費はあまりにも負担が大きすぎる。住宅問題の解決こそが第一ではないだろうか。住宅政策といった問題を本気で考えるべきかもしれない。国土交通省と厚生労働省という縦割りの影響だとしたら、これこそ政治の出番である。

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