2011年5月19日木曜日

本を出します(『グラッドストン伝』)

「出版社を立ち上げた」と言っても、やはり本を出さなければ、世間には認知してもらえない。何ら具体を持たないままの4月1日のスタートであったが、ようやく、近刊案内として、お知らせできることになったのは、誠に嬉しい。
今日は、そのうちの1冊、『グラッドストン伝――政治における使命感』(神川信彦先生・著、君塚直隆先生・解題)についてご紹介。
この本は、1967(昭和42)年に潮出版社から出され、その年の毎日出版文化賞を受賞するなど、各方面から高い評価を得た(と確信できます)。最初は、上下2巻本として、その後1977(昭和52)年には、潮選書として改版されている(今回は後者を底本とさせていただくつもりである)。
合計どれだけの数が市場に出回ったのかわからないが、今では絶版状態になっており、私自身も、インターネット古書店で購入したぐらいだ。
このたび、復刊するに当たっては、ご遺族のかたにまずご了解をいただいた。信彦先生の奥様はじめご家族の方々は、まだ立ち上げたばかりの社からの出版にも関わらず快くご理解下さった。改めて感謝するとともに、いい本に仕上げることをここに改めてお約束したい。
そして、潮出版社からも小社からの復刊を了承いただいたことは、形式的な点とはいえ(例えば、他の老舗出版社がすでに検討していた、ということもあり得たわけで)嬉しかった。

ところで、「復刊」といっても、いろいろなやり方があるだろうが、私としては、“リニューアル”出版、と位置付けたい。
まず、紙面も組み直したい(底本は2段組みだが、文字の大きさもかえて1段組みにし、読みやすくしたい)。
そして、巻末には、イギリス近代政治史研究の第一人者である君塚直隆先生に「解題」という形で、ご執筆頂けることとなった。
なんといっても、この2点目は意義が大きい。
これまで何の面識もなかった者からの、しかもまだまだスタートしたばかりの出版社からの、突然のお願いにもかかわらず、君塚先生は、復刊の意義もお認め下さり、「解題」のご執筆をお引き受け下さった。深く御礼申し上げるばかりだ。
先生のこれまでの多数の業績のなかに、本書の「解題」を含めていただけることになるのは、夢のような思いだ。

いずれにしても、編集作業をしっかりと行い、出版社の名に恥じぬ本作りを進めていきたいと肝に銘じている。

0 件のコメント: