2010年5月26日水曜日

昭和5年の本

神保町で働いているから、2日に1回は古書店をぶらぶらする。
お昼御飯のついでに廻ることがことが多い。
今日も靖国通り沿いの書店を眺めた。店内には入らず、通り沿いのワゴンを物色していた。
すると、箱本が2冊並んでいた。函は赤茶けていた。
美濃部達吉著『行政法撮要』だった。
奥付には、昭和5年、とある。今から80年前。
中には、赤と青の線がビッシリ。帝大の学生が勉強したのだろうか。
それが、1冊400円(この値段をどう解釈するかは人それぞれだろう)。
こうして、本は生き続けるのだなあ、と感慨に耽った。

本がどんどん奇麗になっている。印刷のレベルも紙の質も、時代とともに進化している。
しかし、作り手と書き手の気持ちの入れようは?
少なくとも、前者について言えば、そう自問自答せざるを得ない。
流れ作業で片っぱしから出しいないか。
自分で読みたいものを主体的に作っているか。

80年後にもどこかで読める、と確信持てる本を作りたい。
2090年、か。

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