2011年7月20日水曜日

安達峰一郎博士書簡集を手にして

安達峰一郎という人物を、もっともっと世に広めたい。そんな思いでいるのは、私自身が山形の生まれだからだろうか。
常設国際司法裁判所長を務め、亡くなった時はオランダ国葬をもって送られた、「世界の良心」である安達博士。
そんな人物なのに、一般的な知名度は低いのかもしれない。山形県でも、誰もが知っている偉人、という位置づけではない。福島の野口英世、とは比較にもならないだろう。残念でならない。

大学時代に、国際法という講義を受けたものの、もちろんそこで安達の名に接したことはなかったと思う。その後、こうして政治や歴史関係の本の編集に携わるようになると、端々にその名を発見し、ひとり悦に浸っていたような状況だ。

このたび、安達峰一郎博士の書簡集が、地元山形県山辺町(やまのべ、と読む)の教育委員会から刊行されたと知り、急ぎ購入した。
書簡のみをただ単にジョイントしただけでない1冊である。それこそ、国際法、などというものに縁のない人々でも、読めるように工夫がされていた。そして、「本書を読むための予備知識」などと言うページもあり、候文の読み方まで伝授。
編集感覚の優れた1冊であると感じた(私も見習わなければ)。
彼の生い立ちから順に章立てがしてあり、書簡の合間に解説もあり、ゼロから安達を学ぶには最適と思う。通勤の車中で候文を読んできたが、将来の妻となる鏡子への面会依頼(付き合いの申し込み?)の書簡などもあり、飽きることなく、全く居眠りをさせてくれなかった。

いずれ、安達峰一郎に関する本を、編集者として手掛けることができれば、この上ない幸せである。

ちなみに、安達のほか、私には、山形にゆかりのある意中の人物があと二人いる。
結城豊太郎と我妻栄。
いずれ、編集者として、この3人に関わりたいと強く願っている。

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